病原性大腸菌O-157など人間の健康に悪影響を与える微生物やウイルスの広がりを防ぐため,環境庁は 4日,河川や地下水を対象にした環境基準づくりに着手すると発表しました。現行の環境基準で河川や 湖沼などの水質の病原性微生物の規制指標として定められているのは「大腸菌群数」しかなく,濾過など 簡易な浄水方法で水道水として使える水質「AA」では,大腸菌群数を「100 ミリリットル当たり 50 個以下」と 決めていますが,特定の大腸菌を対象にしていません。このため,病原性微生物などの個別の基準を環 境基準に盛り込み,都道府県などに常時監視を義務づけます。今後,具体的な基準値を検討し,早けれ ば来年夏にも実施します。
 O-157などの病原性大腸菌は人の排泄物などを通じて地下水などを汚染,集団感染の原因となります 。新たな環境基準は,O-157などの病原性大腸菌のほか,集団下痢症の原因になる病原性微生物クリプト スポリジウム,サルモネラなど,またエンテロウイルス,エキノコックスなども水質汚濁の新たな指標 の対象になります。
 環境庁は公衆衛生や水質の専門家を集めて検討会を設け,病原性大腸菌については来年夏をめどに, 細菌やウイルスは99年中に具体的な基準値を決めるということです。

 

資料: 日経, 朝日,埼玉,日本工業新聞,日本水道新聞 各紙順に
平成9年6月5日,5日,5日,5日,9日号

衛生検査室 向井


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