環境庁は今夏から化学物質や金属による河川や海、 地下水の汚染の監視を強化することを5月22日までに決めました。有害化学物 質として規制している環境基準等とは別に、有害性が明確でない化学物質にも 監視の網をかぶせて「要調査項目」という要注意物質のリストを新たに作り、 調査に乗り出すもの。生物の生殖機能を乱す環境ホルモン(内分泌かく乱化学 物質)の疑いがある物質も対象にし、調査の結果、必要があれば環境基準等に 格上げして排出等を規制する考えです。

 水の汚染対策としては、有害性が明確な物質を対象にした「環境基準」と、
有害性が強く疑われている物質に対する「要監視項目」があり、新設する要調査 項目は、発ガン性や毒性は疑われるものの水質汚染による健康被害が環境基準 や要監視項目ほどはっきりしていない物質を対象にします。農薬のDDTといっ た環境ホルモンの疑いがある物質や化学品原料のエチレンなど全部で300種が 選定されました。

 環境ホルモン等は今夏から全国規模で汚染実態の調査を開始、残りの物質
についても99年度以降に順次調査されます。同時に対象物質の毒性や発ガン 性について国内外の研究データ収集、汚染度から健康被害のリスクを評価する 手法を開発し、化学物質汚染による健康被害の危険度を把握し、環境基準を 整備するのに役立てるものです。

 環境庁は健康被害が発生してから対策に乗り出すこれまでの後追い的な規制
への反省から、被害が顕在化する前に監視を強め予防する政策への転換を目指 しています。化学物質の中には極めて微・であっても全く無害とはいえない物 質が存在するとの指摘があり、従来とは違う有害物質対策が必要になってきま した。                                                    

  資料: 日本経済新聞 5月23日号
 

技術開発課 渡辺

 

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