建設省は、このほど 生物の生殖機能への悪影響が指摘されている内分泌かく乱物質(環境ホル モン)の初の実態調査結果をまとめました。これは、全国の一級河川109水 系256ヵ所や処理場から多摩川や淀川へ放流している10地点の下水道でこの 7、8月に調査されたものです。

 この結果、樹脂の原料のビスフェノールAが61地点(34水系、最高 濃度1.40μg/L)で検出されたほか、プラスチックの可塑剤であるアジ ピン酸ジ-2-エチルヘキシルが41水系(最高濃度0.16μg/L)で検出、フタ ル酸ジ-2-エチルヘキシルが86地点(30水系、最高濃度9.4μg/L)で、洗 剤等が分解して出来るノニルフェノールが21水系(最高濃度1.90μg/L) で、人や家畜から排出される女性ホルモンの17β-エストラジオールが河川 の調査地点の56%に当たる144地点(64水系)でそれぞれ検出されました。

 同省は、「実態把握の第一歩となる貴重なデータ。濃度は英国の値より も低いが、一度だけの検査であったので濃度や汚染の広がりを評価できる 段階ではない」とし、11月にも魚類を対象に加えて調査を行うほか、関係省 庁や民間研究者らと連携し、環境ホルモンがどの程度の濃度でどんな影響を 生物に与えるかの評価基準作成を急ぐとしています。            

資料:埼玉新聞 、平成10年10月17日号    日本工業新聞、平成10年10月19日号 

            分離分析課 田沼祐樹



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