厚生省の生活環境審議 会水道部会は11月2日に引き続き同16日、水道水中のダイオキシン類濃度基 準を水1gあたり1pg(ピコc、ピコは1兆分の1)以下とすることを決定しま した。この基準値は環境庁が水質基準案として示しているものと同値です。  ダイオキシンは、魚介類などの食品経由の摂取が多いことから生物濃縮の 観点からも検証し、水道水経由の摂取割合を寄与率1%と仮定。体重50kg、水 道水の1日の摂取量を2gとみなして計算、許容されるダイオキシン摂取量を 1g当り1 pg としたものです。

 厚生省は近く、水道水の安全性を確保するための継続的監視項目にダイオ キシン類(コプラナPCBを含む)を追加、定期的に監視するよう地方自治体に求め る予定です。

 上記部会でまとめられた報告書によると、ダイオキシンは水に溶けにくく、 水中では微粒子となって含まれていることが多いため、浄水場では大部分が 除去されるものの、一部が水道水中に溶存していると指摘しています。

 厚生省が本年度、全国40箇所を対象に水道水中のダイオキシン濃度を調 査したところ、ダイオキシン濃度は最高で1_当り0.035 pg でした。これ を体重50 kg の人が1日2g水道水を摂取するとすると、体重1 kg当りの1 日摂取量は0.0014 pg にとどまります。また、政府が定めたダイオキシン 量を毎日摂取しても健康に影響のない許容1日摂取量(TDI)の4pg の2800 分の1という極めて微量なレベルであるとしています。

          


資料:11月 8日付 日本水道新聞、
11月17日付 日本経済新聞、埼玉新聞、
11月18日付 日本工業新聞、日本水道新聞

    環境技術研究室 大高 和加子

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