環境庁 により「平成10年度の全国地下水水質測定結果」がまとめられました。対象 汚染物質は、地下水の水質基準である揮発性有機化合物(VOC)と重金属等に つき行われ、調査の対象となった全国の井戸4,850ヶ所中2.1%に当る101ヶ所 で環境基準の超過項目がみられました。また既に10年度末までに地下水の汚染 が判明している井戸1,800ヶ所中1,188ヶ所で依然として環境基準を超過してお り、最も超過事例が多かったのは、揮発性有機化合物ではテトラクロロエチレ ン(610事例)で、次いでトリクロロエチレン(420事例)、シス-1,2-ジクロ ロエチレン(199事例)となっています。また、重金属等ではヒ素(229事例) 、総水銀(22事例)、六価クロム(18事例)、鉛(14事例)の4物質で基準超 過がみられました。超過率で見ますと、テトラクロロエチレン(0.6%)とト リクロロエチレン(0.4%)は共に平成9年度よりも高い結果になっています。

 汚染原因としては、洗濯業や電子部品・デバイス製造業による排水・廃液の 不適切処理、廃棄物の不適切保管等とされています。さらに対策については、 今回の調査で基準超過井戸のうち、浄化などによる恒久対策が実施されてい るのは293ヶ所で、全体のわずか1/4しかないということです。環境庁では今 後も調査や対策を促進するとともに、さらに高い技術開発を進めてゆくとの ことです。

資料: 平成11年12月15日付 環境新聞、16日付 日本水道新聞

衛生検査課  松本かおり


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