農林水産省は、 内分泌かく乱化学物質(EDCs)から食品の安全性確保のための研究開発を 加速させることになりました。同省は2000年度から民間団体に委託して2002 年度までに実施することになります。

 EDCs問題には社会的関心が高まっており、食品産業分野においても食品容 器包装材料や容器コーティングに用いられている素材から食品中に溶出して いるのではないかと疑われています。この議論では溶出するとする実験結果 や、しないとする結果など実験方法の違いから意見が分かれており、明確な 結論はまだ出ておらず、食品の安全性に対する国民の不安を払拭するために も、早急な科学的知見の確立が望まれていました。

 このため農水省では2000年度から、食品容器からのEDCsの溶出動態の把握、 生体への吸収性評価技術開発などを推進、食品における微量物質のリスク評 価技術を確立することにしたものです。また、EDCsの溶出の恐れのない食 品包装容器の開発も併せて進めます。溶出を防止する新しいコーティング 技術や、たん白質・糖質などの天然成分を原料とするプラスチック等新素 材を活用した食品包装容器を開発するもので、さらに食品材料中および食 品の製造過程におけるEDCsの失活・除去技術についても開発を行うとして います。

資料:2000年2月15日付 化学工業日報

クロマト研究課 田沼 祐樹


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