埼玉県、 建設省ならびに川越市、川口市、浦和市、大宮市、所沢市及び越谷市の政令 6市が41河川88地点において平成11年度における水質測定を実施しました。 目的としては、河川の定期的な水質測定を実施することにより、環境基準の 維持達成状況を把握し、人の健康の保護と生活環境の保全を図ることです。 測定結果は、

 @健康項目では、人の健康の保護に関する項目については、測定を行った 88地点のうち87地点で環境基準を達成しましたが、福川・昭和橋地点で フッ素について環境基準を達成することができませんでした。

 A生活環境項目では、生物学的酸素要求量BODについては、環境基準が 設定されている76地点における環境基準適合割合は74%であり、過去最高値 を示した前年度( 78% )より4ポイント低下しました。

 過去10年間の推移を見ますと、平成2年度から8年度までは59〜68%でさ ほど大きな変化はありませんが平成9年に大幅に上昇し、その後は70%台で 推移しています。

 水素イオン指数pHについては、全水域の適合割合は( 93% と)高く、 水域別では、荒川支流(赤平川、横瀬川)が50%で最も低く、これは秩父 山系の石灰岩層を流下すること等の自然的要因によると考えられます。

 浮遊物質量SSについては、全水域の適合割合は91%と高い結果でした。

 溶存酸素量DOについては、全水域の適合割合は93%と高く、特に荒川 本流、入間川本支流、新河岸川の本支流および利根川本流は95%以上とい う結果でした。

 大腸菌群数については、水域の適合割合は34%と低いのですが、前年度 (13%)に比べて高く、荒川支流(赤平川、横瀬川)は13%と最も低い 結果でした。

 地点別におけるBODの最も低かった河川は高麗川(天神橋(日高市 ))の 0.5 mg/lで、最も高かった河川は藤右衛門川(論虚橋(川口市) )の 31 mg/lでした。

 今後の対応としては、平成10年度に策定した埼玉県生活排水処理総合基 本構想に基づき、下水道をはじめ、農業集落排水施設、合併浄化槽などの 各種生活排水処理施設の特性や地域の事情に応じた効率的かつ適正な整備 を進めるとともに、工場・事業所に対する排水規制の遵守を立入検査等に より徹底してゆくようです。

資料:10月4日付 環境防災部(大気水質課担当)報道発表資料

化学分析課 竹下 尚長


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