厚生労働省は、143の指定検査機関(平成12年11月1 日現在)を対象に行った精度管理の「平成12年度水道水質検査の精度管理に係る調査結果」についてまとめ、12日公表しまし た。検査項目は、金属類3項目(鉄、鉛、マンガン)と農薬類2項目(シマジン、チオベンカルブ)について行い、一定濃度に調製した 統一試料を各検査機関に送付し、省令で定められた検査方法で分析したものを回収してまとめました。

その結果、農薬類では妥当な結果が得られたのに対し、金属類においては、ばらつき度合いをみる「Zスコア」が、「不満足 」とされる3以上を出した機関が10%以上ありました。

こられの原因としては、作業手順と標準作業手順書の活用が必ずしも一致していないこと、ドラフト内の汚染や器具類の 不十分な洗浄などによる汚染、分析操作中での検量線の不十分な作成や普段行っていない検査方法での不手際さ、結果の転記ミ スや計算ミスなどが挙げられました。中でも、ICP発光光度法とICP-MS法での精度が悪く、定量送液ポンプで使用しているゴム チューブの劣化によりばらつきを起こしてしまうため、定期的な交換が必要とされます。一方、妥当な結果が得られた農薬類 では、精度の向上に向け、今後、抽出操作での回収率の改善や適切な検量線の作成、質量分析部の感度変化の確認などの点を配慮 して、内部精度管理の充実を図るべきとしています。

資料:10月18日付 日本水道新聞

衛生検査課 松本かおり


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