環境省は都道府県などが全国約9400地点で2000年度に実施した大気や水質、 土壌のダイオキシン汚染調査をまとめました。大気については、94地点で環境基準を超えていましたが、全国の焼却施設などからの 総排出量は3年前のそれの7割減になっており、改善傾向にありました。しかし、毒性が蓄積される泥や土壌では明らかな改善は見られ ないようです。 今回の調査は1999年7月に制定された「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づいた初の集計で、 調査対象は大気920地点、河川 や湖、海の水2160地点、地下水1479地点、土壌3031地点、河川等の泥1836地点でした。このうち、大気では境町の2つの小学校など10 地点で環境基準をわずかに超え、水では福岡県の大牟田川など83地点、土壌は栃木県国分寺町で1ヵ所が基準を超えていました。 地下水で基準を超えた地点はありませんでしたが、泥は最高値・平均値とも土壌より検出濃度が高くなっていました。しかし、 泥については基準がまだないため、今回の調査結果も参考に作成を検討するとのことです。 同省の関荘一郎ダイオキシン対策室長は「原因となった焼却場などには行政指導するなど対策が取られており、健康に被害を及 ぼすレベルでもない」としています。

主な環境基準超過地点
地点名年平均濃度
大気上位5地点@長野県松本市神林ポンプ場1.0 pg-TEQ/m3
A静岡県浜松市西南部測定局 0.76 pg-TEQ/m3
B埼玉県熊谷市大里地区農業共済組合 0.71 pg-TEQ/m3
C茨城県境町静小学校 0.66pg-TEQ/m3
D茨城県境町境小学校0.66pg-TEQ/m3
環境基準 = 0.6 pg-TEQ/m3以下
水質上位5地点@福岡県大牟田川五月橋48 pg-TEQ/l
A福岡県大牟田川東泉橋20 pg-TEQ/l
B新潟県新井郷川大正橋 4.7 pg-TEQ/l
C熊本県江添川緑橋 3.8 pg-TEQ/l
D新潟県栗ノ木川山本橋3.4 pg-TEQ/l
環境基準 =1 pg-TEQ/l以下
土壌@栃木県国分寺町柴1200 pg-TEQ/g
環境基準 =1000 pg-TEQ/g以下

 資料: 1月12日付 埼玉新聞、p. 13

クロマト研究課 明石 康伸  


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