かねてから農林水産省 では食品産業排水の処理技術開発を推進していましたが、その一環として、新たに排水中の窒素・ りんを回収し、有効利用する技術開発を4年計画で実施することとなりました。これは、昨年10月 に水質汚濁防止法施行令の改正が行われ、窒素・りんの総量規制基準が定められたことを受けたものです。

 食品加工工場では、排水量が多く、現状の活性汚泥法では有機物を汚泥として沈殿させているこ とから大量の汚泥が発生してしまいます。たんぱく質や脂質が多く含まれる場合は、窒素・りん が処理しきれずに排水中に流れ込み、赤潮などの原因となっています。しかし、現状の技術ではり ん濃度を一定水準まで安定的に低下させることができないため、これを効率的・低コストで回収し 、肥料資源等に有効利用しようというものです。

 この事業の要素技術は、@窒素・りんの効率的回収技術の開発、A排水量削減技術の開発−の大 きく二つに分けています。公募型の技術開発であり、フォストリップシステムや、浸漬型中空糸 膜を用いて除去する技術、流水によらない冷凍食肉の非加熱解凍技術などの課題例と違った技術 でも受け入れるようですが、採用は6件ほどになりそうです。

資料:2月1日付 化学工業日報、 p.12

化学分析課 辰巳 和子


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