欧州のWEEE指令(電気・電子機器類の廃棄物に関 する欧州指令・Waste Electrical and Electronic Equipment)とRoHS指令(電気・電子機器類の有害 物質の規制に関する指令・Restriction of Hazardous Substances)が調停委員会を通過、欧州議会 ・EU連合理事会でも最終合意されました。6物質の禁止を盛り込んだRoHS指令は、実施時期が一つの 焦点でしたが、最終的に2006年7月1日以降ということで合意をみました。

今回の指令には、メーカーの拡大生産者責任が盛り込まれたほか、臭素系難燃剤についてはデカ BDE(デカブロモジフェニルエーテル)が来年終了予定のリスクアセスメント結果を待って判断する ことで合意、法規制にリスクアセスメントの考え方が反映されました。

 EUのWEEE指令は廃電気・電子機器を分別収集し、埋立処分量を削減、自冶体のゴミ焼却負荷の減少 を目的とします。RoHS指令では、電気・電子機器から有害物質の鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、P BB(ポリブロモビフェニル)、PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル) の使用禁止が明記されました。 ただ、PBDEの中のペンタBDEの有害性をクロ判定としていたものを今春時点でオクタBDE、デカBDEに ついては、リスクアセスメントを実施している最中だったため、調整事項とされました。最近のリス クアセスメントの結果によると、オクタBDEは段階的な使用中止が濃厚です。しかし、デカBDEについ ては来夏終了予定のリスクアセスメントの結果を待って判断することとされ、使用中止免除の可能 性があります。

 EU加盟国は18ヶ月以内に国内整備を図り、RoHS指令では猶予期間を経て2006年7月からEU全域 での施行となります。今後はEU加盟各国が両指令に沿って法制化し、具体策をどう講じていくか に焦点が移ります。

 資料:10月24日付 化学工業日報、12面
10月23日付 EICネット(海外ニュース)より

環境分析センター 石澤 牧子

※WEEE及びRoHS指令の詳細は下記の資料を参考にしてください。
・世界の環境ホットニュース(GEN)143号より
・金属鉱業事業団 EUエコプリーズ(EU「家電リサイクル法」案を巡る動向)より
・エコロジーエクスプレス欧州情報より  


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