今回の厚生省のダイオキシン規制強化で、既存の炉では排ガス中のダイオキシン類の濃度 が1ノルマル立方メ−トル(温度0℃、気圧 760 mmHg に換算した気体の立方メ−トル単位 の体積)当たり 80 ngを越えると緊急対策が必要となります。厚生省がこの規制強化にから んで調査した 705ヶ所のゴミ焼却炉の中で、この数値を検出したのは52ヶ所ありましたが、 兵庫県内に基準値の 12 倍以上にも当たる 990 ng を検出した炉のあることが明らかになり ました。このデ−タが出たのは1回だけの調査であり、再度測定を行うことも検討されてい ますが、それでも緊急対策を迫られていることに変わりはありません。

関係者によると、前処理のゴミ導入部と、焼却炉部分の改造を行い、それに最も重要な集 じん機にバグフィルタ−とダイオブレ−カ−を使うことにより、恒久対策となる 5 ng 以下 に発生を抑えることができると判断されています。兵庫県は早速改善対策に乗り出しました が、焼却炉は連日 16時間のフル回転であり、いつ炉を止めて改造するかが難しい判断となっ ており、またそのための新たな予算をどう捻出するかも大きな課題となっています。


資料:日刊工業新聞、平成9年1月28日号

クロマト研究室 高橋


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