環境庁はこのほど、廃棄物焼却炉から大気に放出されるばいじんの規制を強化する方針を固 めました。ボイラ−など他の規制対象施設に比べ緩いと指摘されている排出基準値を厳しくし、 規制対象と施設の規模も見直します。

環境庁がばいじん規制を強化するのは、ダイオキシン対策として有効であることに加え、廃 棄物焼却炉が原因の大気汚染苦情が増加の傾向にあることが背景にあり、これらの苦情を処理 する自治体からの規制の強化を求める声が強まっているためです。今日に至るまでこれに対する 排出基準が緩いとされながらも、見直されていませんでした。特にダイイオキシン対策の観 点から規制強化が必要とされる連続運転炉以外の燃焼炉の基準値は0.5グラム/立方メ-トルと他 の施設の 0.05〜0.03グラム/立方メ-トル に比較するとかなり高い値に設定され、加えて全国に 約1万基ある規制対象焼却炉の規模(処理能力200キログラム/時)も対象外の焼却炉の数が推定 で数十倍と多く、苦情件数の約9割を占めているのが現状。ばいじんの規制強化はダイオキシ ンの削減につながるため、同庁は現在検討中のダイオキシン対策と併せて、早急に具体的な規 制値などの検討作業に着手し、来年度できるだけ早い時期に総理府令などを改正します。


資料:環境新聞、平成9年3月19日号

環境計量室 森岡


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