米国環境庁(EPA)主催の先進国環境担当閣僚会議(環境サミット)は 、これまで先進各国で大人を基準に設定されていた大気や水質、化学物質な どの規制について、環境破壊の影響を受けやすい子供を基準に見直すこと盛 り込んだ環境サミット宣言を採択して閉幕しました。

環境基準の内容は先進 各国で異なりますが、発育途中の子供を守る立場からより厳しい基準への見 直しにつながる内容で、このうち飲料水については、「子供の生存への最大 の脅威はきれいな水を利用できないこと」と指摘が在りました。 多くの国 々でクリプトスポリジウムや細菌、ウイルス性病原生物などを原因とした集 団的な疾病が発生していることを重視し、すべての国々、関係国際組織が飲 料水の微生物汚染から子供を守るべき、と呼びかけています。

六月に開かれ るデンバーサミットで各国首脳が再確認する予定で、各国の環境行政に大き な影響を与えそうです。

今回の宣言は、各国の環境基準がとりわけ「次代を 担う子供」を守るのに不十分との反省に立ち、大人以上に環境影響を受けや すい子供を基準にした、より厳しい規制に見直す方向を打ち出したものと言 えます。

また今後、先進各国が進める行政で、水質や大気のほか、ダイオキ シンなどの有害化学物質の環境基準について、乳幼児の健康を守ることがで きる基準にまでより厳しく見直す方向で検討するよう求めました。

こうした 作業は未だ未解明な面も多いため、各国が積極的に情報交換、協力すること を約束しています。



資料:日本経済新聞、日本水道新聞   各紙順に平成9年5月7日、19日号

衛生検査室 向井

 

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