今年3月宇都宮市内の安定型処分場の浸出水に含まれていた砒素により周辺環境が汚染された問題に つき、厚生省は5月29日、砒素の発生源と推定された石膏ボードの溶出試験結果を公表しました。試験 は社団法人石膏ボード工業会が行ったもので、その結果、小名浜吉野石膏いわき工場の製品から判定基 準値を超える 0.41 mg/L の砒素が、また 日東石膏ボード八戸工場の製品から判定基準値に近い 0.24 mg/L のカドミウムが溶出するのが確認されました。

 このため、厚生省と環境庁は、緊急対策として、 石膏ボードを大量に処分している安定型処分場からの浸出水と周辺公共用水域や地下水に対する水質調 査と石膏ボードが使われている建物を解体する際、製品に表示されている工場記号などを確認し、この 2工場で製造された製品は管理型処分場で処分することなどを関係都道府県に要請しました。また、環 境庁では、緊急対策と併せて、石膏ボードに関する最終処分基準を見直す方針です。

 一方、石膏ボード工業会は同日付けでボード製品の品質管理強化策を明かにし、会員会社に対して原 料石膏等の受入管理体制については納入会社から必ず品質証明書(計量証明書)を提出させ、年1回の 割合で(生産条件を変更した場合はその都度)原料石膏の品質を定めて定期検査を実施し、原料石膏の供 給会社に対しても金属等の管理を強化するよう協力を要請するとしています。
 

資料: 環境新聞、平成9年6月11日。 廃棄物新聞、平成9年6月23日 各号

環境計量室: 森岡

 

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