快適で健 康な生活を検討してきた厚生省の検討会は、5日住宅の新建材に使用されてい る化学物質の健康への影響やアレルギーの原因となるダニやカビの対策など、 住環境に対する相談に応じていく機関が必要になっているとの報告書をまとめ ました。ただし、すぐに相談機関を整備することは難しいため、まず各地の保 健所が環境衛生監視員を活用して相談にあたるよう提言しています。

 報告書は、新素材や化学物質の使用で体調不良を訴える「シックハウス症候 群」や、阪神大震災で露呈した構造面の不安などを挙げ、「居住者の視点に立 った」住宅政策の必要性を強調しています。人が住み始めてから生じるトラブ ルに住宅メーカーが十分対応できていないとして、保健所などを活用した事業 の実施を求めたもので、特に報告書では環境衛生監視員の業務を拡大し、住民 の保険指導を行う保健婦らと協力して、住宅相談にあたるよう提言しています。 また、健康と居住環境に関しては,厚生省国立公衆衛生院が現在、保健所職員を 対象に「住居衛生コース」を設けています。報告書はこうした専門コースの充実 や受講できる職種の拡大も提言しています。公的機関や大学、企業などの研究 成果について定期的に研修を行い、最新の情報を持って相談にあたるように求 めています。

 厚生省は、「すでに保健所には,害虫や悪臭対策など住宅に関するさまざまな相談がきており、相談事業の展開には前向きに対応したい」としています。                                              

資料:日本経済新聞、1998年8月6日号

分離分析課 鈴木聡子


コンテナ・記事目次へ


Copyright (C) Naitoh Environmental Science Co., Ltd.
webmaster@knights.co.jp