通産省 工業技術院は、大気汚染物質の超簡易分析法の開発にめどをつけました。検 知管を使った簡易な分析法で、トリクロロエチレンなどの微量大気汚染物質 を、大気環境基準レベルで測定可能なことが確認されたとしています。

 検知管は、化学反応による色の変化を利用するもので、対象成分が含まれ た試料空気を一定速度で通気させ、検知管内に充てんされた検知試薬と化学 反応する際に生じる検知管の変色層によって、成分濃度を求めることができ る比較的簡単な分析法として知られています。

 工技院では、規制強化によって産業界の大気汚染物質の簡易分析に関する ニーズが高まっていることから、早急に取組みが必要となる大気汚染物質を 対象に、検知管の適用可能性を調査してきました。

 この結果、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンについては、検知 管によって環境基準レベルでの計測が可能であることが確認できたといいま す。来年度からは、実際に化学物質を取り扱う工場で分析法のフィールドテ ストを実施し、分析精度について公定法との比較を行い、JIS規格の整備な ども併せて検討するとしています。

 工技院では、大気汚染防止法で定められた他の優先取組物質についても、 検知管による分析が可能になれば、産業界の自主的な排出抑制に大きく貢 献できるとし、調査を急ぐ考えです。

  

資料:化学工業日報、 平成11年1月11日号

分離分析課 高橋 真朋子


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