標準的な 食事によって食品から1日に摂取するダイオキシンの平均量は、体重1kg当り2. 00ピコグラム(ピコは1兆分の1)で、前年の2.41ピコグラムから減少したこ とが厚生省の98年度調査で判り、7日の食品衛生調査会の部会に報告されまし た。

 環境庁調査の大気や土壌からの摂取データを加えても、政府が“安全基準” と定めた耐容1日摂取量(TDI)の4ピコグラムの半分程度となります。保 存食品の調査でも減少傾向がはっきり示され、厚生省は「排出源対策などの効 果が表れたのでは」と分析しています。

 調査は全国7地区から10地域を選定し、国民栄養調査に基づいて、それぞれ 地域で標準的な食事内容を決定。地元で購入した食品を調理した上で、ダイオ キシン(狭義のダイオキシン類とコプラナPCB)の含有量を測り、摂取量を 推計したもの。それによると10地域の体重1kg当りのダイオキシン1日摂取量 は、最も多い関西地区の2.72ピコグラムから、最も少ない中国・四国地区の 1.22ピコグラムまでと幅があり、平均は2.00ピコグラムでした。  内訳を見ると0.82ピコグラムのダイオキシン類より、コプラナPCBのほ うが多く1.16ピコグラム、特に関西地区はコプラナPCBがダイオキシン類 のおよそ2倍と目立っています。 また関西地区に残っていた77,82,88,92,95年分の食品サンプルを利用し て、摂取量の変化を調べた結果、77年8.16ピコグラム、82年5.32ピコグラム、 92年2.07ピコグラムなどと減少傾向を示しました。98年は2.72ピコグラム増 えましたが、厚生省は「変動の範囲内であり、減少傾向は続いている」として います。

 平均摂取量の「2.00ピコグラム」は一定の条件で処理した数値で、データの 処理方法を変えると「2.44ピコグラム」や「2.96ピコグラム」という数字も出 ることから、厚生省は統一的なデータ処理方法を打ち出すことも検討していま す。

資料:9月7日付 日本経済新聞

計測課 磯貝 宜宏


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