環境庁は、改正大気汚染防止法の有害大気汚染物質の優先 取組物質の一つであるベンゼンの濃度が依然高水準にあることから、ガソ リン中ベンゼンの許容限度の強化と合わせて2001年をめどに、現在企業が 自主的な排出削減を実施している工場などの固定発生源対策を強化するこ とも検討してゆくとしています。

 98年度調査では全調査地点の半数近くが環境基準を超えていました。 環境庁が発表した98年度の有害大気汚染物質モニタリング調査の結果 (19項目)では、ベンゼンの年平均濃度は全調査地点の46%で、97年2 月に設定された大気環境基準(1m3 当り3 μg)を超え、最高は室蘭 市の11 μg でした。測定頻度など条件を満たしている地点での環境基 準を超過している比率は、一般環境が39%(174地点中68地点)、発生 源周辺38%(58地点中22地点)、沿道75%(60地点中45地点)で、全体 では46%(292地点中135地点)となっています。全体の年平均値も3.3 μg と高い値です。室蘭市のほか、高濃度地点は兵庫県高砂市9.9、 茨城県神栖(かみす)町9.8、岡山県倉敷市9.6、東京都世田谷区8.5(単位 はμg/m3)などとなっています。

 ベンゼンはガソリンのほか化学工場などを発生源としています。 ガソリン中のベンゼンの許容限度は、環境庁告示などで2000年1月から1%以下 (現行は5%以下)に強化されます。環境庁ではこうしたガソリン含有量 規制などで改善を目指す一方、固定発生源対策として工場などからの排出 抑制も強化してゆく考えです。  

   資料; 1999年10月25日付 化学工業日報

分離分析課   金子 圭介


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