米環境 保護局は6月12日、ダイオキシンの発癌性が従来考えられていたよりおよそ 10倍高いことがわかったとして「発がん物質」に指定替えする案を発表しま した。EPAは全米の科学者らの意見を集め、年内にも許容摂取量など安全基 準の見直しに着手するとしています。

 「発がん物質」への指定が提案されているのは2,3,7,8-テトラクロロジベ ンゾパラジオキシン(2,3,7,8-TCDD)で、これまでは「発がんの可能性があ る物質」に分類されていたものが、症例報告や動物実験など最新の研究結果 から2,3,7,8-TCDDを体重1kg当り毎日1pg一生にわたり摂取し続けた人のがん になる確率は1/1000〜1/100であることがわかったため、見直しを図ること となったもので、これは1994年に出した報告の約10倍のリスクに相当するも の。

 EPAは1991年からダイオキシンの危険評価を進めており、年末までに最終 報告を出す計画です。また、2,3,7,8-TCDD以外のダイオキシン類は「発がん の可能性がある物質」としての分類が提案されています。

 日本では政府が昨年、生涯にわたって摂取し続けても健康に影響の出ない 1日当りの許容摂取量を体重1kg当り4pgと定め、将来的にはこれを1pg未満と することを目標に掲げていました。今回のEPA提案がこの摂取基準にも影響 を与える可能性が考えられます。

資料: 6月13日付 日本経済新聞

  クロマト研究室 須永 晃央 


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