建設省 は平成10年実施した全国一級河川の水質状況をまとめました。これによるとB ODとCODでみた環境基準を満足している地点は前年より7%上昇し、過去 最高の87%を達成しました。同省では、流量が全国的に増加して年間総流量が 平年をかなり上回ったことをその要因として挙げるとともに、過去における同 程度の総流出量の年と比較しても明らかに基準の満足地点は増加しており、汚 濁負荷削減による水質改善が着実に進んでいると分析しています。

 この調査は全国一級河川109水系における国の直轄管理区間の河川延長約10, 500Kmに対して、水質調査地点を1,094ヵ所設けて水質調査を毎年実施している もの。

 10年は全調査地点のうち91%がBOD75%値で3mg/L以下で、最近10年で最 も良好な水質となりました。また、BOD75%値が10 mg/Lを超える汚濁の著 しい地点は、全体の0.4%にまで減少。大都市部の河川でも水質は良くなる傾 向にあるものの、BOD75%値でみると10 mg/Lを超える河川も依然存在して います。[75%値とは、計測の関係から年度データのうち75%以上のデータが 基準値を達成していることで環境基準を達成しているとみなすこととするもの]

 一方、湖沼等での水質ではCOD75%値 3.0mg/L 以下の調査地点の割合は 5割程度で横ばい傾向が続き、水質改善の兆しは見られていません。

資料:環境新聞、平成11年8月18日号

分離分析課 内田 陽子


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