環境庁(大気保全局企画課担当)は、工業用の洗浄 剤など広範な分野で使用され、発がん性や中枢神経系に対する麻酔作用が指摘されているジクロロ メタンの大気中の環境基準値を1m3 当り150 μgと決め1月に告示し、即日実施するとしています。国内での生産量が多く、人体への悪影響が懸 念されると判断されたもので、基準値の設定は、このほど出された、有害大気汚染物質対策について の中央環境審議会の第6次答申を受けたものです。それによりますと、ジクロロメタンは「発がん 性の可能性が除外できないため基準値を設定するのが妥当」と指摘されました。これを受けて、環 境庁は文献データなどから、低濃度の長期曝露により健康を害さない水準の基準値を定めるに至り ました。同庁の調べでは、国内大気中の平均濃度は 3.5 μg/m3 と、基準値の1/40 以下とのこと。 ただし、利用している工場の周辺地域などではこれを上回る可能性もあるとみているようです。 ジクロロメタンは前述の洗浄剤のほか、脱脂溶剤、塗料等の剥離剤、各種エアゾール、ポリウレタン 加工時の発泡補助剤などかなり幅広い用途をもち、中小企業はじめ全国工場等で多量使用され、国 内年間生産は10万トンにも達する(95年度)といいます。

資料:平成12年12月22日付 日本工業新聞

            分離分析課 内田 陽子



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