厚生省は病原性微生物対策の一環として財団法人水道技術研究センターを通 じ実施していた水道水源の「クリプトスポリジウム等の存在状態に関する調査研 究」で、予定箇所(94水源水域、282地点)の採水検査を終了したことから、9月19 日その結果を発表しました。それによると、7月に行った中間報告発表分も併 せ、検出状況はクリプトスポリジウムが6水源水域の8地点、ジアルジアが16 水源水域の24地点で検出されています。同省では、他の大腸菌、連鎖球菌、螺胞 菌等との相関関係などを考慮のうえ今秋(9月下旬−10月上旬)にその結果を報 告、(1)ジアルジアはどこにでもいることが想定されること、(2)クリプト スポリジウムもその可能性が高い、として「水道におけるクリプトスポリジウム 暫定対策指針」の徹底を警鐘しています。

 今回新たに発表されたのは 52水源水域の156地点 での検出状況で、栃木県 鬼怒川、群馬県烏川、東京都多摩川、島根県飯梨川、岡山県高梁川、佐賀県玉島川、 熊本県水俣川、大分県大分川、鹿児島県万之瀬川、沖縄県天願川で、それぞれ病原 性微生物が検出されました。今回行われた調査により、全国の主要水道水源で の検出状況が一応判明し、クリプトスポリジウム8地点19個、ジアルジア24地 点94個の状況となったもので、ジアルジアの存在がクローズアップされるとみ られます。これらは、今後の対策確立とその充実に大きな知見を提供するとみ られ、今秋まとめられる調査結果が注目されます。

        

  資料: 日本水道新聞、平成9年8月21日号

衛生検査課 青木


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