建設省 都市局下水道部と社団法人日本下水道協会が共同で設置している下水道政策研 究会は、下水道の役割を抜本的に見直す中間報告をまとめました。 報告案は、 生活用水量の3/4が下水道を経由するようになったことから、公衆衛生の向上 や公共用水域の水質保全といった従来の目標だけでなく、水循環や雨水の管理 、水系リスク管理などを目的に加え、大きく8つの機能を持たせることを提言 しました。さらに施策を普及・整備の促進から高度化・多様化に転換し、循環 型都市の中核的施設として下水道に複合的・総合的な役割を担わせてゆく考え です。今後、費用負担のあり方も見直し、必要に応じて下水道法の改正も検討 してゆくようです。

 中間報告案は、21世紀の社会のあり方を展望し、人・水・地球の3つの視 点から、今後の下水道の役割やそれを実現する整備・管理の手法を見直しま した。まず、下水道が保有すべき機能として、@衛生的で快適な生活の早期 実現、A安全・安心の確保、Bまちのうるおいと活力の向上、C健全な水循環 系の構築、D安定した水資源の確保、E水系リスクの管理・低減、F生態系 の保全、G循環と環境負荷の削減−を挙げ、これらを実現する施策について 整理しました。

 具体的な機能や施策では、環境基本法に基づく流域別下水道整備総合計画 に各水系ごとの放流水質を定め、位置づけのあいまいだった高度処理を事業 計画に反映させて全面的に展開してゆくそうです。また水質や水量、生態系 の総合的保全のため、流域ごとに水循環に関する下水道整備の基本方針を設 定すると同時に、下水道経由物質の、流入を含む挙動の監視や流入規制を含 むリスク制御で効率的な水系リスク管理を実現してゆくとしています。  雨水対策では貯留・浸透や利用・浄化も含む総合的管理を実施し、土地 利用との連携や民間宅地での対策など総合的計画を策定し、汚泥処理につ いては、広域的に見た減量化や再利用の総合的計画を策定、施設を整備す る予定です。

資料:3月1日付 環境新聞

環境計量課 竹下 尚長


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