厚生省はこのほど、窒素除 去型小型合併処理浄化槽、膜分離型合併処理浄化槽、中・大型合併処理浄化 槽、単独処理浄化槽の四つの維持管理ガイドラインを策定しました。ガイド ラインは、浄化槽法に基づき適正な維持管理を確保するため具体的な指針を 示すもので、平成5年3月に小型合併処理浄化槽、農業集落排水施設のガイド ラインが策定されていましたが、今回は、建築基準法の浄化槽構造基準改正 、窒素除去型、膜処理の本格的普及などに合わせ、法令レベルにとどまらな い、より望ましい維持管理の手法を示したものです。

 窒素除去型小型合併処理浄化槽のガイドラインでは、生物学的硝化脱窒法 の留意事項として流入汚水のBOD濃度が窒素濃度の3倍を下回らないこと などをあげ、水素供与体の調整などを実施しても所期の性能が得られない場 合は、計画・設計・施工を見直すよう求めています。

 膜分離型合併処理浄化槽のガイドラインでは、使用開始直前の保守点検を 必須条件とし、通常の保守点検の頻度は3ヵ月に1回以上、清掃頻度は6ヵ月に 1回以上などと定めています。

 中・大型合併処理浄化槽のガイドラインでは、浄化槽を使用開始する直前 に計画・設計・製造・施工・使用方法が適正であることを保守点検作業で確認す ることが必要としているほか、清掃との十分な連携を確保するよう求めてい ます。

 単独処理浄化槽のガイドラインでは、性能維持が困難な処理方式として全 曝気(ばっき)方式、二階タンク型腐敗タンク方式などをあげ、これらの方式 では2ヵ月に1回清掃するなど極端に清掃頻度を上げる以外に適正な処理性 能を確保する方策がないと指摘しています。  

 資料: 10月3日付 設備産業新聞

環境調査課 関根 利康   


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