日本下水道協会は3月15日、 ディスポーザ排水処理システム性能基準(案)をまとめ、発表しました。これは排水設備として下 水道に接続することができるディスポーザ排水処理システムの性能基準、維持管理基準と基準適 合性の評価方法を暫定的にまとめたもので、具体的な水質濃度や下水道への汚濁負荷量、維持管 理については製造・販売者が計画を作成することを定めています。また性能基準等の適合評価の 方法として、評価を行う第三者機関を例示するとともに試験方法などを示しました。

ディスポーザ排水処理システムは、生ごみを台所に設置したディスポーザで破砕し、処理槽等 に搬送・処理した後に下水道や公共用水域に放流するシステムです。これは建設省(現国土交通省 )が総合技術開発プロジェクトの一環として平成6年度から8年度に亘って実施した「ディスポー ザーによる生ごみリサイクルシステムの開発」において提案されていました。同システムを「適 切に維持管理される限りにおいて下水道に接続する排水設備として適当である」とする建設大臣 認定を複数メーカが取得していましたが、その後の建築基準法の改正により認定制度が廃止され たため、同協会には会員から取扱いの参考となるような基準を取りまとめてほしいとの要望があ り、「ディスポーザー排水処理システムの性能の基準に関する調査専門委員会」を昨年9月設置し検 討して来ました。同システムを排水設備として認めるかどうかは個々の下水道管理者が判断し、性 能基準(案)は要望に応じて参考になるものとして暫定的に作成したものです。

基本的な考え方は、@ディスポーザによって破砕した生ごみを処理することによって、下水 道への流入水の水質が適正であるとともに、A下水道へ流入する汚濁負荷の総量が増大しないこ と−としています。

性能基準については、システムの水質として排水処理部流出水の濃度で、BODとSSが300 mg/ L未満、n-ヘキサン抽出物質が 30 mg/L以下、また下水道への負荷量が台所排水とディ スポーザ排水を併せて(水量35L/人・日)、BODとSSが各10.5 g/人・日、n-ヘキサン抽出物 質が 1.0 g/人・日としています。

適合評価については、下水道管理者が自ら基準適合性を評価する場合と、第三者機関による 基準適合性の評価を受け入れる場合とがあるとし、第三者機関の例示や評価を行う際の具体的 な試験方法等を定めました。第三者機関としては、工業標準化法に基づく指定認定機関や建設 省告示による民間開発建設技術の技術審査・証明事業を実施する法人、学校教育法に基づく 大学などとしています。

資料:平成13年4月12日付 日本水道新聞

化学分析課 竹下 尚長


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