横浜市と下水道新技術推進機構 が同市緑区のマンション「森の台オリーブランド」で実施しているディスポーザ使用に関する共同 研究で、下水道に排出する排水の水質が悪化の傾向にあることが明らかになりました。昨年10月行 った排水水質調査では未設置集合住宅の排水(1982年調査)に比べ水量やSSなどが多くなったものの、 BOD、全窒素、全リンは同レベルでしたが今年1、3月の調査で徐々に水質が悪化し、3月にはBO Dが約1.8倍になっていました。同局では「原因がはっきりしない」とし、7月にも調査を行うとして います。

 ディスポーザとは、生ゴミを粉砕して排水とともに配水管に投入する装置のことです。これには 排水をそのまま下水道に直接流す直接投入型と、有機物を処理してから排出する処理槽付き型があ ります。同マンションにあるのは処理槽付きですが、処理槽のトラブルを想定して、直接投入方式 での調査を行っています。

 1月調査の総合排水水質はディスポーザ未設置の集合住宅に比べSS、全窒素、全リン濃度にさし て大差はありませんでしたが、BODが約1.3倍の216 mg/l、CODが約1.4倍の137 mg/lでした。続 く3月の調査では、SS、BOD、COD、全窒素、全リンともに1.4倍以上に水質が悪化していまし た。特にBODは約 1.8倍の 297 mg/l でした。

 同局では「ディスポーザを使い慣れて、いろいろなものを流すようになったのか、機械的な要因な のか、生活系も悪化していることから、季節変動によるものなのか、はっきりしたことは分からない 」としています。

 4月1日から処理槽を経由して排水を流していますが、7月にも台所系、生活系、総合排水の3種類 において水質調査を行う予定です。また台所系排水管の内部に油脂状の塊りが付着していることを 確認しており、採取して成分を分析することにしています。

資料:5月2日付 環境新聞

化学分析課 竹下 尚長


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