環境省は7月16日、ダイオキシンの安全対策で高 騰しているごみ焼却施設の解体費について、処理義務を負う市町村などに費用の4分の1程度を補助する ため10億〜20億円を来年度予算の概算要求に盛り込む方向で検討に入りました。

 同省は焼却施設を新設・改修する自治体には補助金を交付していますが、新設費の相場が数百億円なの に対し、解体費はこれまで数千万円と格段に安いため助成していませんでした。しかし、大阪府能勢町の 豊能郡美化センターの解体作業員が高濃度のダイオキシンに汚染された問題を機に安全への配慮から経費 が増大、解体価格は従来の数倍に高騰し、財政事情の厳しい市町村が国に助成を求めていました。

 政府は1997年度に、ごみ焼却施設の排ガス中のダイオキシン規制値を2002年12月から大幅に強化する方 針を発表し、ごみ焼却施設は各地で更新や改修が順次進んでいます。しかし、昨年11月の時点で、強化規制 値を達成していない公営施設が約360あり、うち約260はフィルターを設置して操業を継続し、残る約100は操 業を停止して代替施設を新たに造らざるを得ない状況です。このため、2002年度から数年間は年間解体件数が 増加するとみられています。

 また労働省(現厚生労働省)は昨年9月、すべてのごみ焼却施設の解体作業に最高レベルの安全基準を求める 緊急対策を発表しましたが、厚労省は今年4月、汚染が軽度なら相応の安全基準で良いとする解体マニュアルを 作成したため、解体作業者側でも従来と違う作業態勢での解体費用の見積りにばらつきが生じやすくなってい るようです。  

 資料:7月17日付 埼玉新聞

クロマト研究課 明石 康伸  


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