さる12月11日、公害対策会議において「化学的酸素要求量、窒素 含有量及びりん含有量に係る総量削減基本方針(東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海)」が環境大臣により策定されました。これは2004年度を目標 年度としたCOD、窒素、りんの削減目標と、水質保全対策の基本的事項を示したものです。

 現行の第4次水質総量規制において着実にCODの削減が図られてきましたが、CODによる汚濁の状況がほぼ横ばいであり、富栄養化の原 因物質である窒素及びりんにより赤潮等の問題が発生しているとして、CODの一層の削減を図るとともに、窒素及びりんとを併せた総合 的な削減対策を推進するため、新たな総量削減基本方針を策定することとなったとみられています。

 それによりますと、平成16年度における削減目標量を平成11年度の汚濁負荷量と比較して、CODで東京湾92%、伊勢湾92%、瀬戸内海 94%、3水域全体で93%、窒素については東京湾98%、伊勢湾96%、瀬戸内海95%、3水域全体で96%。りんにおいては、東京湾91%、 伊勢湾92%、瀬戸内海94%、3水域全体で93%とすることとしています。また、汚濁負荷量の削減対策の基本的事項として、@下水道等 の生活排水処理施設の設備、A工場・事業場に対する総量規制基準の適切な運用、B環境保全型農業の推進、合流式下水道の改善等−を 掲げています。

 3水域の関係都府県はこの基本方針に基づいて総量削減計画を策定して、具体的な対策を実行し、工場・事業場に対しては、通常の濃 度規制に加えて汚濁負荷量(排水濃度×排水量)についての総量規制基準が適用されることになります。この規制基準は2002年春をめど に都府県知事が設定し、一定の猶予期間を経た上で適用されることとなります。

資料:2月11日付 環境省報道発表資料(環境管理局水環境部扱)
12月11日付 日経夕刊、 p.16、 12日付 化学工業日報、 p.12
12月12日、19日付 環境新聞

化学分析課 辰巳 和子


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