セメント協会では、 このほど、セメントの塩分濃度基準が国土交通省との協議で緩和される見込みとなったことを 明らかにしました。

 セメントは、石灰石と粘土が主原料ですが、廃プラスチックや古タイヤ、肉骨粉などの産業 廃棄物が副原料として使用されています。が、廃棄物には鉄筋がさびてコンクリートの強度 が低下する原因となる塩分を含むものも多く、そのため、いままでは、この塩分基準を0.02% 以下と定めていました(国交省 直轄工事基準・日本工業規格基準)。しかし、欧州の基準値の 「0.1%以下」に比べて国内基準は非常に厳しいため、廃棄物の再利用を促進する目的で基準緩 和が求められていました。

 協会によると、国交省は年内にセメントの塩分濃度の上限値を0.04%前後に引き上げる見 通しで、JIS基準も連動するようです。また、この塩分濃度におけるコンクリートの耐久性 は「問題ない」とのこと。この緩和により廃棄物の再利用量が増え、処分場不足に悩む産業廃 棄物の処理促進が期待できそうです。


資料:10月21日付 化学工業日報、12面

環境分析センター 石澤 牧子


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