中央環境審議会廃棄物部会(部会長・平岡正勝京都大学名誉教授)は、環境庁長官の諮問を受 け、当面最終処分場の在り方に関する検討を重ねてきたが、1月31日「最終処分を中心とす る中間とりまとめ」を行い、最終処分場のタイプごとに構造や維持管理面で見直すべき点を 示しました。最終処分の基本的な考え方、構造・維持管理、搬入の前段階での対応、埋立終 了後の管理、不適性処理への対応などのテ−マについて検討しています。

安定型処分場に関する見直しの要点ではまず、汚染物質の溶出及び地盤安定性の上で問題 性のない物か、異物の混入・付着のない物を受け入れること、水質モニタリング及び排水がで きるような設備・構造を導入すること。また、埋立中の維持管理では浸出液及び周辺地下水の 監視の実施や監視員の設置など厳格な搬入管理をすること。埋立終了後は速やかな閉鎖が可能 で跡地利用の制約が少ないこと、などとしています。

管理型処分場に関する見直しの要点ではまず、安定型及び遮断型処分場が受け入れる廃棄 物以外を受け入れること、粘土層などの地質バリアと遮水シ−トを利用し、遮水を二重化す ること、遮水シ−トを規格化すること。また埋立中では浸出液及び周辺地下水の監視を強化 し、監視員を設置し、搬入管理を強化すること、廃棄物の症状に応じた区分埋立を推進する こと、放流水規制を強化すること。埋立終了後は長期間の維持管理が必要であり、浸出水に よる直接的な汚染の恐れがなくなった段階で土地の掘削など利用に伴う汚染を防止すること、 などとしています。

遮断型処分場に関する見直しの要点ではまず、有害物質が一定程度以上溶出する恐れのあ る物か無害化処理が不可能な物だけを受け入れること、貯留構造物を規格強化すること、永 続的な監視管理が可能な構造とすること、また埋立中の維持管理では構造物の監視を強化す ること、埋立終了後では、閉鎖できないのを基本とすること、跡地利用も限定的とすること、 などとしています。

現行法制化では設置許可が不要とされているミニ処分場も取り上げており、不適正処理事 例が少なくない実態から、規模に関わらず、すべて許可の対象とすべきとしています。 このほか、最終処分場への搬入量・種類・維持管理デ−タなどの公開を義務づけ、運営・管理 を透明化することによって住民の理解を得られるよう努めるべきであり、処分場ごとの情報 公開についてその方法・頻度・事項をあらかじめ具体的に明示する必要があるとしています。


資料:廃棄物新聞、平成9年2月17日号

環境分析センタ− 石澤