建設・厚生・通産・林野の4省庁は5月4日までに、ホルムアルデヒドなど化 学物質6種を「健康被害を招く恐れが強い」として、建築資材などへの使用削 減を求める方針を定めました。家屋を新・改築した直後に見舞われる目や喉 の痛み、皮膚の乾燥や炎症、せきや下痢といった原因不明の症状「シックハウ ス症候群」を防ぐための措置で、6物質と同症候群の強い因果関係を国が初 めて認めたかたちになります。

シックハウス症候群と呼ばれるこれらの多様 な症状は、防音や断熱の効果を高めるため住宅が高機密化した結果、新たに 発生した典型的な現代病のひとつです。

建設・厚生など4省庁は安らぎの場 となるマイホームが、健康をむしばむ場となっていることを重視し、被害者 らの訴えや製造物責任(PL)法との絡みを懸念する住宅業界の要請を受け、 原因物質の規制に乗り出すことになりました。削減規制の対象になるのは、 ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、木材保存剤、可塑剤、シロアリ駆 除剤の6物質。

4省庁はこのうち、合板や壁紙の接着剤に使用され、被害事 例が多く報告されているホルムアルデヒドについては、室内空気の許容限界 濃度を示すガイドラインを5月中に発表し、さらにペンキやラッカーに含ま れるトルエンやキシレンについては、成分を明示する制度を本年度中に導入 する予定です。また木材保存剤、可塑剤、シロアリ駆除剤についても空気中に どのように放散されるかなどのデータを収集し、具体的な削減政策を早期に 打ち出したい考えです。

関係者によると、厚生省が新たに作成するガイドラ インは、世界保健機関が定めた基準値と同一の 0.08 ppm になる可能性が強 いといわれています。 


資料: 埼玉新聞、5月5日号 

クロマト研究室 内田

           

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