環境庁は近年急速に問題化している化学物質過敏症調査のため、「本態性 多 種化学物質過敏状態に関する調査研究班」(仮称。座長、大井玄国立環境研 究所副 所長)を設置しました。 調査研究班では、化学物質過敏症につい ての基本的な考えを整理・確立す ることに重点をおき、続いて臨床症状の 調査、調査対象となる化学物質の選定、 暴露調査、健康影響調査項目など を実施し、平成10年3月には報告書をまとめ る方針です。

化学物質過敏症の調査研究は欧米では活発化しているものの、日本での 実 態調査は進んでおらず、このたびの研究班設置により本格的調査に乗り出 す方 針を固めたものです。同庁では、「内分泌撹乱性物質」(いわゆる環境ホル モン) 問題とともに、これまで表 化してこなかった化学物質問題について も積極的な 施策を講じてゆく方針です。

化学物質過敏症とは、微 化学物質に人体を暴露し続けることにより アレル ギー様症状が生じ、種々の健康障害が起きることです。その症状も さまざまで、 他の疾病との区 が非常につきにくい特徴をもちます。この 問題は欧米研究者ら によって指摘され、国際化学物質安全性計画会議では 「本態性環境非寛容症」と 呼ぶことが決定されています。

                         


   資料:化学工業日報 、平成9年12月22日 号
 

クロマト研究室 内田    

 
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