最近になり家庭用品などから、微量ながら室内に発散されるホルムアルデヒドやトルエン、 スチレン等の揮発性有機化合物(VOC)が原因で、アレルギ−症状、だるさなどを訴える「シ ックビル症候群」、「化学物質過敏症」といった言葉が耳にされるようになりました。人は大 半の時間を室内で過ごすことから、人の健康に影響を及ぼす恐れのある物質の、室内空気汚染 への対応が急務となっています。

厚生省では室内空気汚染の原因となる化学物質をタ−ゲットに、汚染実態調査に乗り出す ことにしました。調査は、実際に人が生活している一戸建住宅やマンションなど、さまざまな タイプの住宅で室内濃度測定を実施し、同時に居住している人を対象に個人暴露量測定やア ンケ−ト調査などを行い、建材だけでなく家具や暖房器具など、家庭用品からどのような物 質に、どのように暴露されているかをト−タルに把握します。また、同時に検討会を立ち上 げ暴露量調査や健康被害症例調査結果、別途実施の毒性評価結果から健康リスク評価を行 い、特に問題となる化学物質の洗い出しを行います。

98年度以降は特に問題視される物質に対する集中的な調査を実施し、室内濃度指針の策定 につなげたいとしています。検討会では、室内空気汚染の家庭での対応について、情報提供 を行うシステムの構築も併せて検討することにしています。


資料:化学工業日報、平成9年1月10日号

クロマト研究室 内田


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