日本接着剤工業会は、接着剤の住宅環境への影響について調査する 「住宅用接着剤の安全研究会」の中間報告をまとめました。接着剤の主 な揮発性有機化合物に関し揮散実態をまとめ、ホルムアルデヒドや有機 溶剤については時間が経てば残存度がゼロとなるものの、条件によって はある期間にわたって滞留のおそれがあるとし、そのうえで、化合物の 長期滞留を防ぐにはいずれも十分な換気が必要と提言しています。

 報告では以下の4つに大別、室内へのそれぞれの放出濃度などをまと めています。

1)ホルムアルデヒド(各々1kg が標準的六畳間で使用された場合の空気中残存裏)
a)クロロプレンゴム系溶剤型接着剤: 7.7 ppm 以下
b)合成ゴム系ラテックス型 ビニル系床材用: 3 ppm
陶磁器質タイル用:   13 ppm
c)酢酸ビニル樹脂系エマルション型 16 ppm以下
d)アクリル樹脂系エマルション型 陶磁器質タイル用   49 ppm 
根太用   21 ppm
カ−ペットタイル用       18 ppm
2)可塑剤: 明かに可塑剤を原因とした検出報告例はない
3)残存モノマー: 居住者に健康障害を引き起こす恐れは殆どない
4)有機溶剤: 密閉状態で換気率ゼロとした場合、施工後14-30日間の1日当りの放出濃度がWHOのガイドラインの2倍になる



などの結旺を紹介、一時的に条件がそろえば高濃度となるおそれも指摘し、 そのため、入居までの期間を14日とし、入居後も換気を心掛ける必要があ るとしています。

         

 

  資料: 化学工業日報、平成9年11月5日号

クロマト研究室 加藤


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