厚生省は、化学物質過敏症 やシックハウス症候群などの原因物質とみられるトルエン、パラジクロロベン ゼン(DCB)、キシレンの3物質の室内濃度指針値を検討するため、シックハウス 問題検討会を4月5日スタートさせました。同省は97年にホルムアルデヒドの 室内濃度指針値を設定、室内濃度規制に乗り出しましたが、今回、接着剤や塗 料に含まれているトルエン、キシレン、防虫剤や消臭剤などに含まれるパラジ クロロベンゼンの3物質を加え、合計4物質に広げます。

 シックハウス問題は、居住環境に起因する人の健康影響の問題で、特に建材 などに含まれる揮発性有機化合物(VOC)の室内濃度が高まることで発生すると みられています。同省は、昨年12月に公表した97年度と98年度の「居住環境 中の揮発性有機化合物の全国実態調査」でトルエン、キシレン、DCBの3物質の 室内濃度が極めて高濃度だったことから、これら化学物質3種について新た に室内濃度指針値を設定する方針を固めたものです。

 この全国実態調査によると、トルエンとキシレンが世界保健機関(WHO)の 「WHO空気質ガイドライン値」を大幅に超過し、DCBが厚生省の耐容平均気中 濃度を大幅に上回っていました。

シックハウス検討会では、室内空気汚染に関する室内濃度指針値を検討す るほか、室内空気中の化学物質の測定方法、室内濃度指針値に基づく対策 なども検討。とくに指針値の設定では、WHOのガイドラインを軸に検討が 進められる見通しです。  

 資料:  4月 6日付 日本工業新聞
4月13日付 化学工業日報

  分離分析課 高橋 真朋子  


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