昨年10月に福岡県筑紫野市 の安定型最終処分場で、水質検査用井戸内で作業中の3人が硫化水素が原因と される中毒で死亡し、滋賀県栗東町の処分場でも処分場のボーリング孔から 硫化水素が検出されるなど、安定型処分場から発生する硫化水素の問題で、 厚生省と環境庁は互いに連携をとりながら、当面の対応策や原因究明、原因 解明後の対策方針の整備について検討する方針を固めました。

 両省とも花嶋正孝福岡大学工学部教授を座長とする検討委員会を設置し、 厚生省は8月末までに当面の(緊急)対応策をまとめ、環境庁はできれば今 年度中にも早期に原因究明を行い、その上で現行制度に照らして今後の対応 方針を整備する方針です。

 現状では原因として、安定型品目に有機物が混じり嫌気状態で腐敗した物 質と硫黄分とが反応、沼地や池等は自然状態でも底部から硫化水素が発生す るところがあり、それら沼地等の跡地を安定型処分場として利用、硫酸カル シウムを含む廃石膏ボードの関与など廃棄物中の生物化学反応や地質などさ まざまな可能性が推察できるとしています。福岡の死亡事故では処分場に硫 化鉄をまいたのが原因ではないかとの見方があります。詳細な実態究明を経 たのち、現在の処分基準に照らし問題がないか検討した上で、必要なら現行 基準の見直しや新基準の設定に着手します。もちろん、今回の検討は基準改 定を前提にしたものではなく、現行基準の遵守で対応できると結論が得られ れば現行規定の徹底を促すなどの措置をとっていく予定です。  

 資料: 6月19日付 産業廃棄物新聞

   環境分析センター 石澤 牧子   


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