平成12年度の公共用水域および水質関係工場・事業場の立入 検査結果が公表されました。  調査内容としては、公共用水域については、水質測定計画に基づき、埼玉県、環境省、並びに川越市、川口市、 浦和市(現さいたま市)、大宮市(現さいたま市)、所沢市および越谷市が、41河川88地点において、水質測定を実 施したものです。

 測定の結果は健康項目(人の健康の保護に関する項目)26項目))について、88地点のうち85地点で環境基準を 達成しましたが、綾瀬川の内匠橋地点で、1,2-ジクロロエタンについて、元小山川の県道本庄妻沼交差点地点でふ っ素について、環境基準を達成するこができませんでした。

生活環境項目については、環境基準の類型が指定されている河川は30河川で40水域(AA類型が1、A類型が11、 B類型が11、C類型が10、E類型は7)で、BODについては、このうち27水域(68%)で環境基準を達成しました。 環境基準達成率は、平成8年度までは30%台の横ばいで推移していましたが、9年度に大幅に上昇し、12年度は過去最高 となりました。pHについては、全水域の適合割合は96%(前年度96%)と高く、SSについては94%(91%)、DOは93 %(93%)、大腸菌郡数は36%(34%)でした。

今後の対応としては、調査を持続し、公共用水域の常時監視に努め、健康項目に環境基準超過があった場合は、 直ちに原因究明のための追跡調査を実施するそうです。

工場・事業場の立入検査について、平成13年3月末現在で、水質汚濁防止法及び公害防止条例に基づき、届出され ている工場・事業場は11063個所で、このうち、規制対象工場・事業場は3169個所でした。検査の結果、排水検査を行 った2508件のうち延べ2121件が排水基準を遵守しており、排水基準を超過したのは延べ387件で、超過率は15.4% でした。排水基準を超過した工場・事業場に対しては改善命令・改善勧告・注意などが行政措置として行われ、指導さ れました。

排水基準超過率の年度別の推移は、水質汚濁防止法が施行された昭和46年当時と比較すると、大幅な改善傾向 が見られます。平成12年度は前年度と比べて基準超過割合がやや増加しましたが、最近10年程度ではほぼ横ばいの 状態となっています。

今後の課題と対策として、水質汚濁防止法施行当時の排水超過原因は、排水処理施設の未設置によるものが大 部分を占めていました。しかし、施設の設置が進んだ近年では、排水処理施設の維持管理が不十分であることによ るものが多くなっています。このため、大幅な基準超過は減少し、行政措置の件数も「注意」が大部分を占めていま す。 排水処理施設の維持管理ミスによる基準超過は、どの工場・事業場でも生ずる可能性があり、県では、今後も、 各工場・事業場に対して、排水処理施設等の適正な維持管理を行うよう、より一層、指導の徹底を図っていくようです。  

 資料:平成13年9月25日付 埼玉県環境防災部水環境課HP

環境計量課 竹下 尚長  


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