1968年の カネミ油症事件をきっかけに残留性の高い有害物質として製造・使用が禁止さ れ、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の疑いも指摘されているポリ塩素化ビフ ェニル(PCB)が、微量ながらも大気中から検出されたことが、このほど環 境庁の97年度調査結果により判明しました。国内 21 個所の全調査地点から検 出され、汚染は全国規模でした。

 PCBによる水質や土壌、生物の汚染はすでに知られていましたが、大気中 で確認されたのは今回が初めて。大気中から入ったPCBの詳しい人体影響は 未解明ですが、PCBが水だけでなく、大気を通じて環境中に拡散している実 態を示したものといえます。

 PCBについての調査は北海道、愛知、長崎など 19 道府県の県庁所在地な どで各自治体に依頼して 21 地点で実施。大気 1m3 中の濃度は 1.5 ng( ナノグラム)、長崎県庁 0.044 ng でした。PCBに大気の環境基準は現在あ りませんが、国が暫定的に設定していた指針値の 1m3 当り 500 ng に 比べ、今回の結果は低レベルでした。                                                  

資料:東京新聞、 平成10年12月18日号  

重量分析課  内田 陽子


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