3月に政 府がまとめたダイオキシン対策推進基本指針の課題の一つである「排ガス・排水 中を対象とした測定・分析方法」のJIS原案が2月26日の日本工業標準調査会 環境・リサイクル部会で承認されました。WTO/TBT協定に基づく事前意 図広告を6〜9月に行い、9月20日にも通産大臣がJISを制定、官報に公示 され、ダイオキシン測定方法としては最初の標準規格が発行される見通しと なりました。

「精度管理は国際的にも最高レベル」と自賛: 

測定・分析手法の規格化は、排ガスが97年度、排水中が98年度から検討され ており、上記の指針策定前に概ね骨格が固まっていました。しかし、厳しい 世論を受けて「国際的動向」と「信頼性確保」に配慮した測定方法とするこ とが求められたため、急遽再検討を行い、この原案がまとまったもの。部会 長を務めた東大生産研究所二瓶教授は、「現行の国内マニュアル等をベース に欧州規格と米EPA測定方法を参考にして作成、結果的には精度管理を含め 世界で最高水準の測定・分析方法になった」と自賛しています。また、今後 ISOにも働きかけて、日本案を国際標準(当面排水中のみ)とするよう要請 する考えも示しました。

 今回の見直しのポイントは以下のとおりです。

  1. 国際的動向への配慮:
    ・検出下限以上を数値として報告する。
    ・毒性当量算出方法。
  2. 信頼性確保に向けた対応:
    ・測定誤差、繰返し精度を含めて検出下限、定量下限を設定する。
    ・試料における検出下限が評価さるべき濃度の1/30以下になるよう設定する。
    ・信頼性確保のための手順と留意事項を明確にする。

    資料:週刊「エネルギーと環境」No.1549(1999.6.3)

    環境技術課 櫻井 千里


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